マウンテン自転車

 5月半ば過ぎまで朝晩は少々冷え込んだため厚手上着の着用が必須であった。また、冷たい雨や時折、雷鳴を伴う瞬間的な大雨があったりもした。そのような中、5月22日は統計的に晴れの日の確立が一番高いという根拠の基でスペイン皇太子の結婚式が催されたが、あいにくの冷たい小雨が続く日であった。月末になって漸くまともな陽が照り出し始めた。仲間達が半分冗談のように語っていた言葉を思い出す。『 5月末になればいっきに夏の陽差しがやって来るよ。。。』、ナント!、本当にそうなってしまった。

朝夕はとてもフレッシュな空気に包まれているが、日中になると気温は 30 度前後が続くようになってきた。さらに6月1日、ついに我が家の団地内にある縦約 20 m、横約 10 m のプールがオープンした。早速、泳ぎに戯れる人が出るかと思いきや、未だ水が十分に温まっていないせいか3日を過ぎた今日も泳ぐ人の姿は見えない。今度の土日あたりに子供達がワーッと現れそうな雰囲気である。子供達の学校も来週が過ぎれば長い夏休みの始まりだ。スペイン人が一年中で最も大事にする季節の到来である。

 先月の便りで今年は断念する運びとお伝えした自転車によるスペイン巡礼の旅は、この話しを聞きつけた仲間から別の誘いを受け、形を変えて楽しむこととなった。それは、彼の令嬢がもはや使わなくなってしまったマウンテン自転車 (前 3 段、後 7 段の変速機装着) を譲り受け、週末に自宅周辺、約 20 Km の原野を走り回ることである 。ヘルメットや手袋、専用ウェアは購入した。安全に配慮し、交通量の少ない道路と自転車専用道を選び森林の中の自転車道へ繰り出す。こちらでは、日本のようにやたら自転車で道路に走り出ることは皆無に近く、勿論、自転車で歩道を突っ走る行為などは言語道断である。

今の日本は、歩道を歩いていると後ろから『チリン』と警鐘を鳴らすのはまだ良しとしても、『どけ!』と言わんばかりの自転車が威張って走り回っている。日本へ出張したスペイン人やドイツ人等の話で、『日本は歩道を歩く時、前後から来る自転車に注意しなければならない』、という話をよく耳にする。日本の乏しい街造りの所為ではあるが、自転車をスポーツとして楽しむことが多い欧州の人達の目には、このお粗末な日本の印象がしっかりと植え付けられていることは間違いない。日本ではいつ頃から自転車が堂々と歩道を走り始めるようになったのだろうか? 駅前の自転車公害などと云われ始め、20 年以上は軽く経つ。それよりもう少し年代を遡ると、自転車の悪いイメージはそれほど思い浮かばない。

自転車走行可能の標識がある歩道は除き、道路交通法の観点から自転車が歩道を走行することは明らかに交通違反と考えるが、どなたかこの “道” に精通している方がいらしたらご教授願いたいものである。




アマポーラの道標 

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