赴任1周年

 首絞め強盗にあったのが昨年の忘れもしない11月2日であるから、それから早いもので1年が過ぎた。2度目は未だお目にかかっていないが用心するに越したことは無い。強盗に狙われないための特効薬は無いが1周年を迎え、ここで防御策を再考してみる。先ずは、i)人のいない場所へ絶対に近づかないこと、ii) 手ぶらで質素な装いをすること、がキーポイントとして挙げられる。この2点はスペインに限らず、海外における身の安全確保の鉄則であろう。私は前者を破ったのである。

首絞め強盗から数ヶ月後、今度は突然の脱腸に見舞われ、当地の緊急病院で応急手当を施した1週間後、日本で鼠径ヘルニアの手術を受けた。現在は普段の体調に戻ってはいるものの、単身生活2年目を迎えた今でも、未だに健康面での一抹の不安を感じている。

健康維持という観点からは、毎日かかさず出勤前と帰宅後にラジオ体操第一・第二を行っている。やり方は、NHK教育Chで毎朝6時半から10分間放映されている番組を収録(12回分) したビデオテープを再生しながら、身体をほぐすというものである。軽く汗を掻く程度ではあるが、今では最も重要な日課となっている。

このように、当地での出足は災難続きであったが、1年が経ち徐々に落ち着きを取り戻して来ている、と思ったところ、つい先日、実家(千葉市) が火事で全焼してしまった。幸い負傷者はいなかったが丁度、単身赴任1年目の帰国休暇を取得することができたので実家の姿を見に帰ることができた。もう、何が起こっても驚くことは無い、と便所の火事 (焼糞) のように妙な自信を持ち始めている。

いつか、このトンネルを抜ける時期が来るだろう。過去の経験からいけば、こういう時期は何をしても反って裏目に出るだけなので控えめにかつ注意深く行動しておくこととする。9月のスペイン皇太子との遭遇は厄払いとはならなかったようだ。漸く1年が経過したので、もうそろそろ普通の流れに戻る頃かな?、とあまり大きな期待は持たず、気持ちだけは前向きに保ちつつ頑張ることとする。


アマポーラの道標 

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