物騒な1年

 12月に入り、スペインではまた物騒な事件が多発している。スペイン北東部バスク地方の分離独立を叫ぶテログループ “ETA” による爆弾テロ事件が5日、6日と連続して発生した。

5日は、マドリッドから郊外に向かう主要道路沿いのガソリンスタンド5カ所において爆発事件が発生した。爆発の1時間程前に予告電話があり、警察が同5カ所のガソリンスタンからの避難を行ったが、残念ながら数名の負傷者が出た。さらに翌6日、スペインの地方7都市 (アビラ、アリカンテ、マラガ等)において小規模な爆発事件が発生した。爆弾はカフェテリアや公園、人通りの多い街路等に仕掛けられており、同様に爆発の1時間程前にETAからの予告電話があり、同7カ所からの避難が行われたものの数名が負傷した。

12日には、サンティアゴ・ベルナベウ・サッカー場 (レアル・マドリッドチームの本拠地で首締強盗が多発する場所) において、レアル・マドリッドとレアル・ソシエダの試合が行なわれている最中、21時に爆弾が爆発するとの予告があった。治安当局は、試合終了まであと7分という時に試合を中断し観客や選手達を避難させた。誘導を受けた約7万人の観客は8分後には避難を完了した。また、選手達はユニフォームを来たままの姿での避難となった。同時に国家警察、爆発物特別処理班など50人が、スタジアム内に仕掛けたという爆発物を探したが、この時は結局何も発見されず、予告の時間を過ぎても爆発は認められなかった。中断された試合は、後日再試合となったものの、なんとも人騒がせな事件であった。

 今年の3月11日に、2百名近くの犠牲者を出した列車爆破テロは未だ我々の記憶に新しいところである。この時幸か不幸か、私は鼠径ヘルニアの手術を受けるため帰国していた。これらのテロ事件を含め、過去のドン・キホー・テリー便りを読み返してみるとこの2004年、私自身の身の回りにも明るいニュースが見当たらないのは何んとも残念で仕方が無い。次回、一時帰国する機会があったら真面目に御払いを行うことを考えているが、それまで当面の間、ここマドリッドで控えめに生き長らえていくこととする。

2005年は酉年とやら、酉は人に時を報せる動物で「とり」は “とりこむ” と言われ、商売などには縁起の良い干支であるとのこと。自身の回りにも、どんどん良いことを “酉込め” てゆければ、と願う限りである。来年は良い年でありますように。。。

アマポーラの道標 

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