居住許可申請

ここスペインでも年末年始の休暇が無い訳では無いが、日本のような長い休暇を取得する習慣はあまり見受けられない。私の場合、居住証の更新申請を行う必要があり、スペイン移民局より3日の指定時刻に Immigration Office へ出頭せよとの命を受けていた。寒い朝の中かじかみながら移民局前の道路に並び、更新手続きを行った。この手続きを怠ると、不法滞在となって国外送還となってしまうので非常に大事な手続きではある。今回は、さらに2年の居住許可が与えられた。申請後、40日程度で正式の居住更新許可が下りる予定であり、もう一度ここへ足を運ぶ必要がある。

この手続きでは申請書やパスポート、写真等を提示するのは勿論ではあるが、未だに指紋押捺を要求される。日本でも一昔前以上に外国人に対する指紋押捺が問題となったことがあるが、外の国に住むための許可をもらうには、その国のしきたりに従うのは当然のことであろう。

一つ、申請時の手続きで特筆することがあった。それは、申請時に提出する写真である。パスポート・サイズの写真×3枚を持参して申請に行ったのであるが、どうも写真の映りがよろしくない (被写体が悪いわけでは無い) ので撮り直して来い、と係官が言う。まっ、そんなこともあろうかと別に有名デパート内にある正式な写真屋で撮影した立派な写真を用意していたのでそれらを提示した。ところが係官は怪訝な顔をしたうえ、その写真も受け入れてくれない。どうも様子が変である。辺りを見回すと私だけではなく、他の外国人申請者全てが持参した写真を拒否されている。

当局の係官は、『移民局の真ん前に写真屋があるからそこで撮り直してきた写真を提示せよ』 、という。外を見ると、なんともみすぼらしい写真屋が確かに移民局の前にある。そこでは、外国人申請者が再度、写真の撮り直しをしてお金を払っている。来る外国人申請者は全てここで写真の撮り直しである。

ハハーン、と気が付いた。本当かどうか定かではないが、移民局と写真屋が “グル” になって客の呼び込みを行っているのであろう。新年の仕事始めで彼等もお年玉が欲しいという気持ちは判らないでもないが、このような行為がまかり通っているようでは中々、先進国に入ることは困難であろう。

アマポーラの道標 


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