春が来た

 3月初旬までは、未だ冬の寒さが大地を覆っていたが半ばを過ぎて漸く春めいてきた。去年より幾分か暖かいような気がする。この時期、スペインでも花粉が飛散し人々を悩ませることが多い。この国ではオリーブの木が撒き散らす花粉が原因で症状の出る人も稀にいるそうだ。恐らく極東からはるばる来ている私が、その該当患者かもしれない。オリーブの木による花粉症、なんと!お上品に聞こえる花粉症であろうか。

下旬にイースターの連休があり、丁度その時期に甥の結婚式や長女の大学卒業式、はたまた連休前には父方の叔母や義姉の叔父が亡くなったりしたこと等から、過密なスケジュールでの一時帰国を得た。前回の一時帰国は、2ヶ月前の義父の葬儀列席であり最近、身の回りの人々の動きがとても激しく感じられる。が、これらの事象は全て人が生きている中での極普通の順番どうりの流れなのであろう。

振り返れば、今月15日は私の53回目の輝かしい生誕の日である。どうりで、甥や姪がそろそろ結婚への準備を始め、平行して他界していく身の回りの親戚等も目立つようになってきた訳だ。一方、私の母親は今年で87歳になるが、昨年10月に自宅が全焼してからは、開き直ったように元気になりつつある。母親の健康を案じることは勿論であるが、スペインでの一人暮らしの自身の健康も十分に留意しなければ、と思案している今日この頃である。

昨年の今頃は、鼠径ヘルニア手術のため同じく一時帰国をしていたが、あれから早くも一年が経過した。以降、いたって元気で毎朝夕、ラジオ体操を行っている。若干気になるのは、少ーしではあるが体重が増えてきたことだ。間違い無く運動不足が原因と考えられる。気候も暖かくなってきた上、夏時間への移行で日照時間をより有効に活用できることも有り、放ったらかしにしてあるマウンテンバイクのメンテを行い、走りの準備を始めることにしよう。道端のアマポーラの花も、そろそろ蕾を膨らませている頃だ。

ちなみに日本とマドリッドとの時差は1時間縮んで7時間となった。マドリッドの陽の出は朝8時半頃で、陽の入りは夜8時半頃である。確かに昼と夜の時間が同等であることが実感できる。明日、31日で3月が終わろうとしている。アフターファイブの日照時間を活用し、色々なことができる季節が漸くこれから始まろうとしている。

30 March 2005
アマポーラの道標 


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