仕事始め
成人の30%以上の喫煙者がいるスペインは、本年1月1日をもってアンチ・タバコ法を施行した。この法律により、職場では煙を遮断した喫煙専用室の設置も許されず全面禁煙となった。バルやレストランは禁煙席と喫煙席を分け、換気システムを設置する義務がある。厳寒の冬空の下で、身を震わせながら喫煙している
FESA 従業員達が気の毒に見えるが、大変好ましいことである。
1月 2日から暦どうり仕事を開始した。とは云っても、この国は 1月 6日の祝日
“こどもの日“ まで年始めの休暇シーズンが残るので、社内に忙しさは感じられない。2006
年が始まり早一か月が過ぎ去ろうとしている。いつも思うことであるが、年を追う毎に月日の経つのが益々早く感じられる。コンピュータの
2000 年問題や、21 世紀突入の大騒ぎがついこの間の話のようだ。
秋を吹っ飛ばしていきなり冬に突入した昨年 11月初旬、『こりゃ今冬は寒さが厳しくなるぞ』、と予感を憶えたが、ここのところ朝晩を除き、日中はぽかぽか陽気が続いている。降雪は無いが雨の日はそこそこあり、マドリッドの水がめ水位は漸く
4 割近くにまで回復しつつある。台風が来ないこの地での水資源確保は、自然の雨と高価な海水利用に期待するしかないのだ。
我が家の団地内にあるプールは、昨夏からの水を残したままで水面上には安全のためのネットが張られている。私の住居は3階に位置し、窓からプール全体を見渡すことができる。出勤時 07:30 頃、窓からチラリとその水面の様子を伺う。この時間帯の空は未だ真っ暗であるが、その水面の形相は自宅から外へ出る際、寒さの度合いを教えてくれる。年末年始にかけて毎朝見た水面は、冷凍庫から取り出したばかりの安物のアイスキャンディーを思わせたが、今月後半頃からは灯りを反射した水面が雨滴に跳ねていたり、かすかに揺らぐ光景が映し出しされている。