仕事と遊び

 ここスペインの職場では、机上のラジオを聞きながら仕事をしている風景を目にする。真剣に耳を傾けているわけではなく、BGM を聞きながらの鼻歌交じり気分だ。大変、不謹慎に聞こえるかもしれないが、これが陽気なラテン人種の仕事のやり方なのであろう。この状況に邪険な顔をしてると、『おいおい、そんなにマジになるなよ。たかがラジオじゃねーか。』と、あたかも揶揄されてしまいそうだ。

 尤もこの雰囲気に慣れると、シーンと静まり返り、ひたすらPCに向かっている人種が大勢居るどこか遠い極東の職場は、却って不気味さを感じることだろう。自分では120%、純粋な日本人気質を維持しているつもりではいるが、約8年に渡るスペイン、米国での仕事と生活習慣で、恐らくどこか、、、よく判らないけど、普通で無くなって来ているとしたら、上述のスペイン人の発言に対して妙に納得してしまうような点かもしれない。。。

2年近くを要し、漸く日本から持参したフラメンコギター教則本の1冊が終わろうとしている。難関となった曲は "Alegrias" と "Bulerias" である。どちらも非常に難易度の高いラスゲアード (かき鳴らし奏法) が要求される。仕事の目標は置いといて、後者の Bulerias はなんとか目標の今月末までに仕上げることができた。

前者の Alegrias は、親指を除く4本指をまとめて上から下へ、親指を下から上へ文字通りかき鳴らす6連譜のラスゲアードが16小節も続く。大変、近所迷惑な騒音が心配され、今のところ思い切ってかき鳴らすことが出来ないでいる。残念ながら、遠慮しがちに奏でているとまともな音が出ないうえ、決してフラメンコにはならない。この曲はどこか密閉されたスタジオあたりで練習するしかないだろう。

最近、寒い日が続いていることもあり、休みの日はひたすら家で趣味のフラメンコギターをかき鳴らしている。どういう訳かフラメンコ奏法では圧倒的に4弦が切れる。何故、中間の4弦がしばしば切れるのか (右写真)???

それは、きっとサラリーマン社会に通じるものがあって中間管理職は上から押さえつけられ、下からはつき上げられてストレスが溜まる。突然、キレたりしても決して不思議では無いだろう。

28 February 2006
アマポーラの道標 
         











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