オーレ! フラメンコ

 フラメンコギターを掻き鳴らし始めてから 2 年と少々、最近、漸く “まともな音” が出始めてきた。この “まともな音” は、ギターの構えや体勢、腕、手首、指等から一切余計な力が抜け、必要な部分に必要な力で押弦・弾弦された時にだけ醸し出される。従って、いつもそのような音が出る訳ではない。

教則本や有名ギターリストが演奏する映像に見入り、漸くコツが掴めてきた。が、自力ではここまでで独学での限界が迫りつつあることを感じる。より上達するには、更なる投資が必要になるだろう。

あまり熱中して鳴らしていると天井から “コン・コン・コン”、と明らかに何らかのメッセージを含んだ人為的な打音が響いて来ることがある。この音は私が奏でる音に対する賞賛の表れか、それとも “静かにしろ” という警告なのか判断に苦しむところではある。きっと、後者であろう。当地の集団家屋は、レンガ造りで天井・床・壁等に防音構造などは無い。硬いものを落とした音や、大きな話し声は筒抜けだ。幸いにも下の階は夏季限定期間の別荘住民なので、今のところ何らメッセージは届いていない。

騒音迷惑で訴えられないよう対策を思案してみた。その結果、キッチンは水等の関連で、床天井の構造に防音効果のあることが判明した。練習場所を台所へ移してからというもの、上階からの警告音は途絶えている。それとも、音が届かなくなってしまったので賞賛出来なくなったのかナ?

ご存知のように、台所はビールやワインの酒蔵である。先に云うべきであろうが料理をする処でもある。ギターを手に入れた当初は音響ホールから乾いた杉の良い香りがしたが、最近では焼き魚の匂いがし始めた。

先ずはビールで軽く喉を潤し、パコ・デ・ルシーァになりきる。ほろ酔い気分になってきたところで、千鳥足ならぬ “千鳥指” 奏法だァーッ。
ジャラジャラジャラララ〜ン…

May 31 2006
アマポーラの道標 












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