そして帰国

 帰任の時がやってきた。『光陰、矢の如し』、月並みの言葉である。が、あいにく、これ以外の適当な言葉が浮かんで来ない。本線から離脱したトロッコに乗り込み1年目、2年目のポイントを通過し、緩やかな加速感を感じた頃、3年経過というポイントへ差し掛かった。トロッコは再び、切り替わった本線へ向きを転じた。どうやら今のところ脱線の兆候は無い。 単なる自己満足であるが、この3年間の足跡を唯一、この便りに残すことができた。業務の面では、目まぐるしい組織変更の中で、その時々の情勢を見極めつつ、期待されるリエイゾンの任務を手探りしながら、“FESA のために”、を念頭に業務を遂行してきた。そろそろ、APAC や米州方面、新プロジェクトの参画等に触手を伸ばしてみたい気分に駆られている。
富士通スペインの仲間達 26 October 2006
 世の中、グローバル時代と呼ばれて久しい。1990年代初期に始まった湾岸戦争や、デジタル携帯電話の分野等で初めて『グローバル』という単語を訊いた。GPS (Global Positioning System) や GSM (Global System for Mobile Communication) 等がそれだ。元々は、軍事・科学用語であったように思える。いつの間にか、ビジネス社会で猫も杓子も口に出すようになってしまった背景は、きっと、語呂の良いカタカナ発音に加え、高級質感のイメージが醸し出す麻薬中毒のような効果が、真の意味を差し置いて、巷にこびり付いてしまったためであろう。

『海外』、『国際』、そして『グローバル』、と云う似て非なる環境の中で共通した障壁は、言語、思考、そして文化歴史の違いだと思う。この違いをあらためて認識し、富士通人であること、そしていかなる環境の中でも自分のアイデンティティーを見失わない訓練の積み重ねの中で、再び、日本から海外の富士通グループ諸氏と共に新たな業務を始動したいと思う。


October 30, 2006
アマポーラの道標 

上段左から
Oscar Barra, Mario Ruiz, J.M.Murua, Jose de la Cruz, Antonio Ortigoza, Fernando Leo, Pedro Martinez, Rafael de Rafael
下段左から
Sabastian de Pablos, Terry Takahashi, Juan Miras, Esteban Navas
もう一人の仲間の撮影者: Oscar de la Puente














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